住み心地の良い家【窓 基本性能編】

皆さんこんにちは。
埼玉県の大工集団、カルムホームです。

以前断熱について語りましたが、実は断熱と言えばここ!という場所がまだあるのですがわかりますでしょうか。

外との境界に近くて気温差を感じやすい場所...そう「窓」です。

住宅の開口部である窓には、実は多くの検査基準が存在しています。
今回その中でご紹介するのは「窓の基本性能3項目」です。

お客様がこれから暮らす、あるいは暮らしている環境に合わせて、どれくらいの性能が必要か想像しながら見てください。


【耐風圧性】・・・強風など内外からの力に対してどの程度耐えられるかを示す性能
台風.jpg
 日本の災害と言えば地震。そして、台風!
 近年でも超大型台風の影響で各所に様々な被害を与えてました。

 「でも、いくら強いとはいえ、風で窓が割れるなんて」と思っていませんか?
 割れます!実は強風で窓が割れるといった被害は普通にあり得るのです。

 気象庁が定めている台風の強さを示す「最大風速」は以下のように定めています。

 強い・・・33m/s以上~44m/s未満
 非常に強い・・・44m/s以上~54m/s未満
 猛烈な・・・54m/s以上

 そして、日本産業企画(JIS)が定めている等級と風速換算値は以下の通りです。

 S-1   800Pa 風速36m/sに該当
 S-2  1,200Pa 風速44m/sに該当
 S-3  1,600Pa 風速51m/sに該当
 S-4  2,000Pa 風速57m/sに該当
 S-5  2,400Pa 風速62m/sに該当
 S-6  2,800Pa 風速67m/sに該当
 S-7  3,600Pa 風速76m/sに該当

 もちろん設置場所(主に階高)や環境にもよりますのであくまでも参考値となりますが、台風による被害が多い場所では、この等級を考えてみるのも大事ですね。


【水密性】・・・屋内への雨水浸入をどの程度防げるかを示す性能
大雨.jpg
 W-1  100Pa 風速 9~15m/sに該当
 W-2  150Pa 風速11~19m/sに該当
 W-3  250Pa 風速14~24m/sに該当
 W-4  350Pa 風速16~29m/sに該当
 W-5  500Pa 風速20~35m/sに該当
 
 以上がJISの等級ですが、一般の戸建でW-2かW-3が必要と言われています。

 何故水の侵入に風が?と思われるかもしれませんが、実は窓からくる雨水侵入の原因は、降水量だけではなく風圧力も深く関係してきます。

 W-3等級は、1時間あたり240㎜の降雨時に風速20m/s程度の風が吹 いてもサッシからの雨水浸入がないということになります。
 猛烈な雨でも1時間当たり80mmなのでかなりの大雨に対処可能ですね。


【気密性】・・・サッシのすき間からどの程度の空気の出入りがあるかを示す性能

 A-1 A-1等級線 室内建具など
 A-2 A-2等級線 同上
 A-3 A-3等級線 一般サッシ・ドア群
 A-4 A-4等級線 断熱・防音サッシ・ドア群

 気密性は断熱、遮音、防塵にもつながる大事な値です。
 窓の隙間から入る風が少なければ機密性能が高いということになります。しかし、気密も大事ですが同じくらい大事なのが換気です。
 定期的な換気ができるシステムにも配慮が必要ですね。


 今回は「窓の基本性能3項目」についてお話ししました。
 まだまだ性能のお話は続きますのでお楽しみに!

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